研究テーマ:運動誘発性食欲不振の発症における「個人差」メカニズム解明と予防策の構築
1. 同じ運動をしても、食欲が落ちる人と落ちない人がいる?
運動後に食欲が低下する「運動誘発性食欲不振」は、アスリートのエネルギー不足を招く大きな課題です。しかし、興味深いことに、同じ運動強度や環境であっても、その影響には大きな「個人差」があることが分かってきました。
私たちの調査では、約25%の人は「運動による食欲低下を一度も感じたことがない」と回答しています。かぶラボでは、この「個人差」が生じるメカニズムを解明することこそが、アスリートの健康を守る鍵だと考えています。
2. これまでの研究成果とアプローチ
これまでの学会発表や調査を通じ、食欲不振の発症には「腸の不調」「睡眠の質」「日頃の栄養摂取状況」が有意に関連していることを明らかにしました。
現在は、睡眠やストレスと関連する「腸内環境(腸内細菌叢)」に注目しています。長距離ランナーを主な対象とし、栄養教育による生活習慣の改善が、食欲不振や消化管症状(下痢など)の予防にどう繋がるかを検証しています。
3. 主な実績・論文掲載
研究の成果は、国内外の学会や学術誌にて発表しています。。
▪︎ 掲載論文(2026年) Individual Differences in Exercise-Induced Anorexia among University Long-Distance Runners (Sports 2026, 14(4), 157)
▪︎ 学会発表
- 運動部所属女子大学生の主観的運動誘発性食欲不振発症と関連因子の探索(日本スポーツ栄養学会第10回大会)
- 運動誘発性食欲不振の発症歴に関係する個体差因子の抽出(日本ウエルネス学会大会)
4. 将来のビジョン
「運動すれば食欲が落ちるのは仕方ない」で終わらせず、食事や生活習慣による予防法を確立することを目指しています。すべてのアスリートが適切に栄養を摂取し、ベストパフォーマンスを発揮できるよう貢献できるのが目標です。